ふくしま海洋科学館学習指導の手引き -040/097page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

No.1 海・生命の進化

■地質年表
画像1 ■地表年表

(1)生きた化石や化石から分かること

 地質時代から例外的にゆっくり進化して、祖先の形態を残してい  る生物で、過去に種類数やそれぞれの個体数が大繁栄したものの、今日では細々とその子孫が生き残っている生物を「生きた化石」と呼んでいます。例えばオウムガイの仲間は古生代カンブリア紀に出現し、デボン紀(約4億年前)に大繁栄しましたが、その後ほとんどが絶滅し、現在ではインド洋から太平洋の海域に数種類が見られるだけです。

 「化石」や「生きた化石」を詳しく調査・研究することによって、過去から現代までの生物の進化の過程や環境の変化を探ることができます。

画像2 ▲クモヒトデの化石(中生代 ジュラ紀)
▲クモヒトデの化石(中生代 ジュラ紀)

画像3 ▲オウムガイ

(2)地球誕生から生命誕生まで

 今から約50億年前、おびただ しい数の微惑星たちの衝突が数億年にわたり繰り返され、その中に、1つの天体「地球」がうまれました。このころの地球は、微惑星が衝突したときに発せられる多量の熱エネルギーにより岩石が溶け出し、地表面はどろどろに溶けた溶岩の海でした。その後、しだいに微惑星の衝突が終息すると地表は徐々に冷え固まり、水蒸気は雲となり雨を降らせました。やかてくぽみに雨がたまり、たまった水は海へと成長し原始の海となりました。

 この原始の海の中では、さまざまな化合物がつながり合い、より複雑なタンパク質や核酸などに進化し、さらに原始細胞へと発展していきました。そして、酸素を 排出するシアノバクチリアやその集合体であるストロマトライトが出現しました。この生物によってつくりだされた酸素は水中、空中に蓄積され、やがてこの酸素を利用して生活する生き物たちの進化がはじまりました。

画像4 ▲ストロマトライトの化石断面(先カンブリア時代)
▲ストロマトライトの化石断面(先カンブリア時代)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権はふくしま海洋科学館に帰属します。
ふくしま海洋科学館の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。