パレオパラドキシア-004/004page

[検索] [目次] [PDF] [前]

《梁川層出土の化石》
梁川層出土の化石
Nassarius
(ムシロ貝)
Mitra
(フデ貝)
Lagenonodosaria fukusimaensis
Hanzawa nipponica
梁川層について
 梁川層は,今から1500〜1600万年前頃(新生代第三紀の中新世)の海底に堆積した地層で,梁川町を中心に福島盆地北部に広く分布しています。
 この梁川層がよく観察できるのは梁川町の広瀬川河岸にみられる露頭で,おもに中粒砂岩や細粒砂岩から構成されており,貝化石や有孔虫化石が数多く含まれています。これら梁川層からの貝類化石については,東北大学の野村,神保両博士(1935・1936)をはじめ藤田至則氏(1954)などによる多くの論文で,20種ほどに及ぶ新種が紹介されています。現在まで知られている種類は,ホタテ貝・オオキララ・ムシロ貝・フテ貝など約50種にもおよんでいます。また,これら貝類化石のほかにサメの歯やサンゴ・フジツボなどの化石もみられ,化石の密集した塵地として全国的にも注目されています。
 古代動物の骨格が含まれていた付近の梁川層から産出する化石や堆積岩を手がかりに研究された結果,今から1500〜1600万年前の海底に堆積した砂であり,その海は暖流系で水深は約30m程度であることか知られています。化石産地の北東部は陸地となっており,パレオパラドキシアの発見された地域は海岸に近い部分であったろうとみられます。
福島大学教授 鈴木敬治


[検索] [目次] [PDF] [前]

掲載情報の著作権は梁川町教育委員会に帰属します。
梁川町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。