霊山町勢要覧 -007/027page

こどもの村からの霊山

　霊山は、その名のとおり霊山町の顔 ともいえる山です。丘陵と呼んでもい いくらいなだらかな阿武隈山地にあっ て、突如、険しく切り立っている姿が 独特の雰囲気を醸し出しています。一 度見たら忘れられない、印象的な山で す。
　名前の由来は、千年以上も前の高僧、 円仁（慈覚大師）が、お釈迦様が修行 した天竺　（インド）　の霊鷺山（りょうじゅせん）になぞらえて霊山と名付け、寺を開いたことに はじまると伝えられています。
　山岳仏教の一大拠点として、多くの 信心を集めていましたが、南北朝の動 乱ですべてが焼失し、大礎石跡などが 当時の面影を現代に伝えています。
　奇岩がそそり立つ霊山ならではの風 景は、二千五百〜三千万年前の火山活 動によってつくられました。火山活動 で噴出した火山角レキ岩、安山岩、玄 武岩などの硬い岩層が、長い年月の問 に浸食され、現在のような独特の景観 をなすに至りました。
　霊山には現在ハイキングコースが設 定されていて、三時間で周遊するコー スと、五時聞かけて縦走するコースが あります。
　周遊コースでは、国司沢や天狗の相 撲場をはじめ、切り立った断崖の道を ゆく親不知・子不知などの見どころが あります。
　縦走コースは、霊山こどもの村の登 山口から、湧 水の里の登山 口までを縦走 します。どち らのコースも 天狗若や稚児 岩、弁天岩な ど、数多くの 見どころがあ り、ハイカー たちに人気が あります。
　ボランティ アで霊山を案 内してくれる 霊山道先案内人もいて、初心者でも安 心して霊山を楽しむことができます。
　霊山は季節ごとに表情を変え、来る 人を飽きさせない魅力があります。登 るたびに新しい発見があり、多くの人 が何度もこの山を訪れています。

錦霞渓（きんかけい）

茶臼山からの霊山

冬の国司沢