「ふるさとの小径を行く」 -097/168page

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 寺院は、宝暦十年二月、天明八年、明治十三年五月の火災により全焼、古記録のほとんどを失いました。現本堂は明治十四年の再建になるものです。

 本堂に掲げられている篇額「岳林寺」は、中国の天童山景徳寺貫主大悲禅師の書です。

 境内に立つ聖観音像は一別梅花観音とも呼ばれ、仙台市の千葉三九郎氏の寄進になるもので昭和五十三年に建立されました。

 堂内に、黒色の木造地蔵菩薩立像が安置されています。「禅木食、自在法師作、願主幸七・寛政四年十月吉日」と刻まれています。布川中古屋にある如意輪観世音(滝見観音)と同一作者で珍しいものです。

木食作 地蔵尊
木食作 地蔵尊

十六羅漢像

 岳林寺へ向って土橋をわたると右手の丘の麓に地蔵尊や青面金剛などの石塔を見下ろす形で「不許葷酒入山門(くんしゆさんもんにいるをゆるさず)」の大きな石塔があります。禅宗独特の碑で、修業僧に対するいましめのことばです。六世日州恵輪和尚の代に建立されました。この碑より寺域になります。

 右手への小道をたどって山上に登ると老松の根元に、月舘町重要文化財の「十六羅漢像」が安置されています。羅漢とは、阿羅漢の略語で、真人と訳され、聖人を意味します。即ち、完全に悟りを開いた功徳の備わった最上の仏教修行者のことで、禅宗で


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