岩瀬村勢要覧 -010/039page
トールペインティングという聞きなれない言葉をこの村に広め たひとりの女性がいます。トールぺインティングとは、家具や小 物、陶器やガラスなどあらゆる素材をキャンバスに絵を描き、そ れを日常生活で使用、自分のライフスタイルにあった暮らしを楽 しむというもの。現在、岩瀬村に自宅とアトリエを置き、村やその 周辺の人たちにトールヘインティングの楽しさを教えています。
いまでは生徒数が百人を超え、この村から欧米文化を元気よく発 信しています。彼女の描く絵は親しみやすく、モチーフには花や 風景等、自然のものが数多く見受けられ、岩瀬の土地柄、彼女の人 柄を彷彿させます。実は彼女は数年前東京から移住、岩瀬の魅力に魅せられて永住を 決意したひとりです。いまではこの土地以外での生活を考えられ ないというほどこの村への思いは強くなっています。
ひとたびこのアトリエに足を踏みいれると、この村には別世界と も思える欧米の雰囲気が漂います。最初は違和感を感じたこの空 間も時間が経つに連れ不思議とこの村になじんでるような感じ さえします。
大好きな絵を描いて、大好きな自然と戯れるとき、自分はなんて 贅沢で幸せなんだろうと感じるという。いまでは村以外から通っ てくる生徒さんも少なくありません。この絵を見て、披女の人柄 に触れた人がまたこの村に魅せられていくに違いありません。
自ら大人のぬりえと称するこのトールペインティング。今、岩瀬 の自然に、そして色に確実に溶け込もうとしています。