3年 社会科がくしゅうしりょう おのまち- 033/070page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(6) 牛を育てる(酪農(らくのう))

 むかしから、小野町では、阿武隈高地(あぶくまこうち)の豊(ゆた)かな自然(しぜん)を生かしてさかんに酪農が行(おこな)われてきました。今も肉用牛の生産額(せいさんがく)は3億6900万円、乳用牛の生産額は5億6600万円となっており、合わせると農業の中で米の生産額より多くなっています。(平成12年)しかし、外国からの肉の輸入(ゆにゅう)がふえてきたり、BSE(ビーエスイー)問題がおこったりして、きびしい経営(けいえい)がつづいています。そのため、さらに工夫して酪農を行うことが求(もと)められています。

― 生産者(せいさんしゃ)の顔(かお)が見える、安心(あんしん)・安全(あんぜん)な牛肉をめざして ―

酪農家のお話

酪農家の人

 私は1977年(昭和52年)から酪農をしています。始めは10頭(とう)からのスタートでしたが、今では私と妻(つま)と4人の従業員(じゅうぎょういん)の6人で1400頭の肉用牛を飼(か)っています。生まれて1ヶ月たった子牛を買ってきて育てます。27ヶ月(2年3ヶ月)で大きくなり、売り出します。

 牛はかぜなどの病気(びょうき)にかかりやすいので、健康管理(けんこうかんり)に気をつかっています。病気はすぐに広がって全部の牛がやられてしまうからです。牛は何も言ってくれませんから、毎日1頭1頭のしぐさや立ちすがたをよく見て、病気にかかっていないかチェックします。もちろん、えさは毎日やらなくてはならないので、1年中休みはありません。家族で泊(と)まりの旅行はできません。

 今は、その牛がいつどこで生まれて、どこでどんなえさで育てられたのか分からないと売れません。つまり、生産者の顔が見えないと安心して買ってもらえません。それで、インターネットのホームページを開き、牧場(ぼくじょう)のことを全国の人に知ってもらえるように努力しています。

 また、食べた人に「おいしい」と言ってもらえるように、牛のえさにハチミツと黒ざとうをまぜています。こうすると、肉が口の中でとろけるような感じになります。また、健康のためによい栄養(えいよう)が入った肉になります。

牛

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は田村郡小野町教育委員会に帰属します。
田村郡小野町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。