小野小町 小野小町誕生伝説の地 小野町 - 001/005page

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小野小町生誕伝説の地 ― 小野町。

小町生誕の地に建つ由来碑
▲小町生誕の地に建つ由来碑

 小野小町−絶徴の美女にして情熱的な恋歌の歌仙。その生涯については、全国各地で様々な伝説が語り継がれています。しかし、彼女にまつわる確かな史実は何ひとつ残っておらず、真実の姿は謎に包まれたまま。彼女が今なお多くの人々を引きつけてやまないのは、そうした謎の力によるものなのかも知れません。
 さてここ福島県小野町は、占くから『小町生誕の地』と伝えられています。郷土に残る伝説を紐解いてみましょう。

 時は平安朝初期、七里ヶ沢といわれたこの一帯に、公家の血を引く小野篁(おののたかむら)が救民撫育のためにやってきた。都の教養人であった篁は、産業や文化の礎を築くのに懸命の日々を送っていた。

 ちょうどその頃、篁の荘園に仕える一人の娘がいた。愛子(めずらこ)(珍敷御前)というその娘は息をのむほどに美しかった。

 篁と愛子はたがいに文を交し合う仲となり、そして結ばれた。間もなく玉のように愛らしい姫が生まれた。二人は姫を比古媛(ひこひめ)と名づけ、たいそう大事に育てた。

 やがて比古鮭が六歳になったある春の日、篁は妻愛子をこの地に残し、姫を連れ都へ上がっていったのだった。

 この比占姫こそ後の小野小町である、とするのがわがまちの説です。残念なことに比占姫が生まれ育ったことを示す記録は残されておりません。しかし現在でも、小野篁を祭神とする矢大神社が人々の尊崇を集めていること、また、夏の風物詩「たかむら踊り」が広く親しまれていること、さらには、京に上がる比占姫の美しさに魅せられ振り返ったという片葉葦が山里に残されていることなど、やはりこの町は小野氏に深い縁をもつ土地柄。そして『小野小町生誕の地というロマンが生きる地でもあるのです。

 六歌仙・三十六歌仙にも数えられる才能あふれる歌人。その、一方では、類希(たぐいまれ)なる美貌の持ち主として、数々の浮き名を流したと伝えられます。

 自分に想いを寄せる深草少将を、百晩通わせる説話はよく知られるところ。このほか美男として名高い在原業平の求愛を、鉄火のごとくはねつけたとか、死して髑髏(どくろ)を野辺にさらした髑髏小町の逸話など多種多様な伝説をもち、彼女縁の地も全国各地に点在しています。

 小野小町とはどんな人物であったのか ― その本当のところは今もって歴史の謎とされています。しかし彼女が残した歌の世界に思いを馳せ、伝説の地を歩いてみれば、もしかしたら誰も知らなかった小野小町に出会えるかも知れません。

ほんとうはどんなひとだったの?


小野小町


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