滝根町の文化財-005/016page

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木造聖観世音菩薩立像 町指定有形文化財

昭和五十三年二月一日指定

聖観世音立像
聖観世音立像

 菅谷入水地内にある万歳山入水寺境内西北隅の、観音堂に安置されている。

 観音堂の本尊であるこの像の特徴は一本造りで、素地仕上げとなり、全体に丸ノミ跡が明瞭に認められるもので、像の高さは一五四・三センチである。
 この像は寺の縁起にもあるようにしばしば火災にあっており、台座、未敷蓮華、腕などが後補となっている。

 調査によればこのような一本造り像は県内では平安時代に一般的な手法であった。しかし、地方仏においては中世を通じてこの技法が残存している。また中世の像表面には何の彩色も施さない素地仕上げとなり、前髪や唇など頭部にはわずかに彩色がほどこすという。こうしたことからこの像についてもより古式の作風を多く止めた地方的な像として考え、その造立年代は南北朝室町時代十四〜十五世紀の頃と鑑定されている。

 所在地 滝根町大字菅谷字人水一二四番地
 所有者 人水寺


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