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入水三十三観音(磨崖仏)町指定有形文化財
昭和五十年八月一日指定
菅谷駅の東方、入水寺の裏山にあり、急峻な坂を登りつめて三山のほぼ中腹にさしかかる付近にある。この観音像は自然の岩などに浮彫りにされた磨崖仏で、これらの造立、およびその年代は記録によれば嘉永三年(一八五〇)に寺の信徒が西国三十三観音札所を奉拝した記念に、各札所の
土を持ち帰り、造立した像の下に埋めたという。
村を一望する場所に浮彫りにされた三十三体の像はそれぞれの札所名と寺名、本尊名がそれぞれに刻まれており、当時の人々の西国三十三巡りへのあつい願望と村内での信仰の在り方をしめす文化遺産でもある。これらの観音像は一体ずつ、形、大きさ、装飾がそれぞれ異なり、見る人々を感動とともに信仰の世界へと引き込む魅力がある。
所在地 滝根町大字菅谷字入水 所有者 入水寺
一番 那智山 青岸渡寺 如意観世音
二番 紀三井山 金剛宝寺 十一面観世音
三番 風猛山粉河寺 千手千眼観世音
四番 槙尾山施福寺 千手千眼観世音
五番 紫雲山葛井寺 十一面千手千眼観世音
六番 壺坂山 南法華寺 千手千眼観世音