あぶくま洞・入水鍾乳洞-014/030page
あぶくま洞の発見
昭和44年9月、釜山の石灰岩採石揚で切り羽の様子を点検していた柳沼伝次郎が、大理石のちいさなすき間を発見しました。棒などをさし込んでみると内部は大きく、鍾乳洞の入口と思われました。
滝根釜山で新しい鍾乳洞が見つかったという知らせに、調査のために先遣隊を送りこんだのは、この年の秋も深まった頃でした。
釜山の新鍾乳洞は100mをゆうに越える大理石の切り羽の下に直径50cmの小さな入口をつくっていました。この入口に体をねじこんで入り込み、10mほどの徳利型の縦穴をザイルで降りるとそこには総延長130mばかりの横穴がありました。そして、その洞壁は長い歳月の水と岩とのかかわり合いの跡を残してくねって奥へと続いていました。
全長600mにおよぶあぶくま洞は、その後46年までに地元の中高生、あるいは里人や研究グループ、そして全国から集まった調査隊によってその全容が明らかにされました。