常葉町町勢要覧 -009/026page
自 然
阿武隈山地の清冽な水と緑が育む豊かな自然は町の宝物です。
四季折々、町は豊かな自然とともにその趣を変え、美しい姿を呈します。春、高原の町はその 訪れを待ちかねたように、一斉に花の季節を迎えます。梅、桜、りんご、桃、梨などの木々が次々 に花を開き、春を調歌するかのようです。周囲の山の木もゆっくりと柔らかな芽を伸ばし、徐々 に緑へと色を変えていきます。カタクリの花がひっそりと開くのもこの季節です。初夏から夏に かけては山にも町にも緑があふれ、その合間を大滝根川の清例な水が流れていきます。そして 秋、山の色は緑からやがて、赤や黄色へと衣を変えます。ごつごつした奇岩が特徴の鎌倉岳や阿 武隈山系の最高峰である大滝根山では、色とりどりの木々と岩肌のコントラストも美しく、 訪れたハイカーたちを魅了します。この他大滝根山と鎌倉岳の中間に位置する桧山は丘状の なだらかな山で、オートキャンプ場やモータースポーツの会場としても利用されています。また、 原始時代の遺跡が数多く出土した殿上山は、今では自然あふれる自然公園として多くの人 に親しまれています。さらには銀杏や桜の古木なども残され、常葉町はその名前の通り常に緑 が、豊かな自然があふれる町なのです。
[七階滝]
常葉の山奥くに存在する滝。岩盤が七階になっているその姿から、いつの頃からかこの名前がつきました。 四季の移り変わりを水面に映し、様々な美しさを見せてくれます。(常葉字四重城地内)
[お伊勢様の鐙摺石サクラ]
樹齢800年の桜の大木。坂上田村麻呂が大滝根山に篭る賊を成敗するために馬を進めていた時 、両側に岩が迫っていたために鎧を摺りながら通りぬけたところの桜が出迎えてくれたという 伝説からこの名前が付けられたといわれます。苗代に種を蒔く時期に開花することからも 「鎧摺石の種蒔き桜」とも呼ばれます。
「山歩きは元気の源。自然の素晴らしさは今も変わらず。」
毎朝、庭先に出て桧山や鎌倉岳の様子を見るのが日課になって いるという橋本さんは、町のさまざまな役職もこなしながら、大好 きな山歩きに出かけています。「昔に比べると緑や、山に棲む動物は 減ったように思います。けれど四季折々、自然の素晴らしさは今も 変わりません。また、常葉町は花のある美しい町です。自然保護地 区を設定するなどして、町民皆でこの自然を守っていかなければな らないと思います」という橋本さん。これからも山歩きを楽しみ、 ボランティアなどにも積極的に参加していきたいと話してくれました。