第4学年社会科副読本わたしたちのきょうどまちふねひき-038/053page
箭内さんのおじいさんのお話(昔の葉たばこ作り)
わしがいっしょうけんめい働いていた昭和30年ごろは,何もかもが手作業でたいへんだったわい。
たばこ畑を作るにも雑木林を切りひらいてね。木の根をクワでひとつひとつ起こさなくちゃならないんだから,その苦労と言ったら…。手にいっぱいマメをこさえてない。
葉たばこのタネをまくのもひと苦労だったね。いっしょうけんめい※親床を作ってね。そこに目に見えないくらいのタネをまくんだよ。しばらくすると芽が出てくるはずなんだけれど,いくら待っても芽が出てこないことが,しょっちゅうあったね。そんなことになると,一年がもう終わりだわい。うね立てもクワでやったね。クワをふるうと土が生きかえるようで,とても気持ちが良かったけれど,たいへんだったね。
葉たばこのたねまき
(1955年=昭和30年ころ)
※親床=たばこのたねをまくところ