白河市文化財パンフレット 谷津田川流域水車跡群 発掘調査概要 - 008/020page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

河野車(かわのくるま)(加登屋(かとや))跡(あと)

 所在地    向新蔵
 調査期間  平成12年3月・9〜11月
 検出遺構  水車小屋跡・水路跡

 新橋の下流側右岸にありました。江戸時代の記録にも残る水車です。発見された水車跡は、河野車から加登屋に受け継がれ、昭和16年まで精米に使われていたものです。水路は全て石積で作られ、水輪の回る部分は特に精巧に加工されていました。排水路の下部から、江戸時代の水路も一部見つけることができました。

水車小屋跡
水車小屋跡
 水車小屋の中央を走る水路には切石が積まれ、周囲には川原石が敷かれています。石臼が並んでいた場所が溝状に残り、作業場の位置が分かりました。
水輪部分の切石の加工
水輪部分の切石の加工
 水の勢いを高めるため、中央の溝は序々に幅が狭められ、急な勾配がつけられています。外側は水輪の曲線に合わせて丸く削られています。
排水路遠景
排水路遠景
 水車小屋の周辺部とそれ以外では石の積み方が異なり、導水路の取水口側と排水路は間知石が積まれていました。

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は白河市教育委員会に帰属します。
白河市教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。