泉崎の文化財
CULTURAL　SITES　IN　IZUMIZAKI　VILLAGE
1993
泉崎村生涯学習推進本部
泉崎村教育委員会

まえがき
文化遺産をたずねて
　はるかな郷土の先人達が郷土開き生きる闘いを演じてきたあかしが今に残る郷土の遺跡である。
　山野をさまよい、狩をし、川辺をかけめぐって漁をし、やがて山野を拓きこれを耕やし、生きる糧を手にするようになった。
　古いどの時代のあの山この丘、そしてこの川もこの道もまた田も畑も先人の汗と血をにじませた遺跡とみることができる。同時にこれは先人の生きた尊い営みのあとでもある。
　未開の頃は人の力の及ばぬものを神とあがめたり、信頼し尊敬し力のある中心的な人の死を大きく悼み、これを追慕し共通の仏として信仰した。
　やがて伝統の中から生じた文化や技術の高まりは、渡来した文化や技術と重なり優れた遺産を生んだ。古代と中世の頃つくられた遺跡がその姿を今にとどめている。原山遺跡の埴輪群はわたしたちに大きな感銘と興奮を与えている。
　この度、文化財学習講座の皆さんが郷土遺跡を探り、その報告をまとめられたことは大きな喜びであり、勇気づけられるものとして高く評価したい。
平成5年3月
泉崎村長　海上博之