北会津の昔ばなしと伝説 -022/238page
6 井戸(いど)に落(お)ちた神様(かみさま)
むかし、むかし、あっただど。
会津の地に人の住み始めた頃の話だど。礫(つぶて)の村には、大きな杉の木が何本かあっただど。
ある時、大変わんぱくな三人の子供の神様が遊んでいただど。
「今日はこの大杉にどこまで登れっか競争(きょうそう)すんべ。」< /p>
と言って、赤い神様、青い神様、黄色い神様の三人が登り始めただど。
赤い神様は、大変上手(じょうず)でまるで猿のように、「ヒョイ、ヒョイ。」と天上の方まで登っていっただど。
青い神様と黄色い神様は、なかなか登らんぎだど。それを見て、赤い神様は、
「オーイ早く登ってこいよ。」
と言いながら細い枝の方まで登っていったと思ったら、とたんに、「ミリ、ミリ。」 と枝が