北会津の昔ばなしと伝説 -085/238page

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27 鎮守様(ちんじゅさま)とカニ

 むかし、むかし、北後庵(きたごあん)にいつも皆の幸せを願っていた鎮守様(ちんじゅさま)がいらっただど。

 その頃(ころ)、大雨が降っとよく、宮川(みやかわ)や鶴沼川(つるぬまかわ)があふれ、田畑の作物が被害(ひがい)をうけていたんだと。

 鎮守様(ちんじゅさま)も、大雨が続くと田畑に被害(ひがい)がでるんであんめえかといっつも心を痛(いた)めていらったそうだ。

 ある大雨の日に、いつものように鎮守様(ちんじゅさま)が村を見まわっていらった時だど。そうしたら、また川があふれそうになっていただど。鎮守様(ちんじゅさま)は、

 「村人に早く知らせんなんねえ。」

と思って、大急ぎで走らったそうだ。あんま、気いもまっただべなあ「つるっ」とすべっ


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