北会津の昔ばなしと伝説 -130/238page
なんつうごどで、今度(こんだ)帰ってぐ時(どぎ)、猿は餅(もぢ)入ったまま臼背負(うすしょ)って、娘ど一緒に帰ってっただど。
したら途中(ぢゅう)川の淵(ふぢ)まで来たら、きれい(え)な桃の花が咲いっただど。んだら娘が、
「ああ、何(なん)だってきれい(え)な花だごどお、あれ取ってもらんにぇべがぁ」
つっただど。
「あ、ほんなごどわげねえわい、取ってくれっからんじゃぁ」
なって言(ゆ)って、サササーと臼背負(うすしょ)ったまま猿登ってって、
「これがぁ」
っただど。したら、
「いやもうちいっと上のがな」
って。
「これがぁ」