北会津の昔ばなしと伝説 -231/238page
「これは、毘沙門天(びしゃもんてん)さまだ。北の方をお守りする仏さまで、多聞天(たもんてん)さまともいうんだ。」
「仏さま? 仏さまならなんでこんなところにあんだべ。」
「ほんとだ。ばちなのあたっとたいへんだから、ムラに持って行っておまつりすんべ。」
「そうだ。それがよかんべ。子供たちが、首取ったり手取ったりしたというから、ばちあたんねえように、持っていって、ムラにおまつりすんべ。」
と、寺堀に運び、毘沙門天さまを修理し、お堂を建てて安置(あんち)しおまつりをしました。