目で見る 熱塩加納村の文化財 -063/144page

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六、寺 堂

 寺・堂は神社と異なり、外来宗教たる仏教の建物である。仏教は紀元前五十年ころ現在のネパールのシャカが始めた宗教哲学で、人間がこの世で生を受け、生活をするに従って苦しみや悩みが生ずる。これを乗りこえ悟りの境地に入った者を仏陀【ぶっだ】とし、修業によって誰でもこの境地になることが出来ると説いたものである。

 その教えは紀元前二〇〇年インド西方に伝わったものが北方仏教(大乗仏教)となり、それが次第に東進して中国、さらに朝鮮半島に伝わり、百済【くだら】を経て五三八年(一説に五五二年) に日本に公伝された。

 日本においては朝廷、聖徳太子の奨励などにより急速に広まり、時代の経過と共に貴族より一般庶民へと信仰されるようになった。

 当村に仏教が入ったのは定かでないが、伝承によれば大同二年(八〇七)僧空海による真言宗の熱塩五峯山慈眼寺をもって創始とする。以後時代の経過と共に多くの寺院が建立されたが現在残っているのは九ケ寺である。

 一方仏堂についてみると観音堂九堂、地蔵堂八堂、不動 堂二堂、太子堂・弁財天堂・虚空蔵堂各一堂がある。

飯豊山牛王(ごおう)宝印
飯豊山牛王(ごおう)宝印
岩尾佐原家蔵のもので江戸時代に飯豊山神社より発行されたもので、神使の鳥などによって文字の図案化した護符で、起請文に多く用いられた。

三神掛軸
三神掛軸
日中猪俣孝司家蔵のもので仏教の三尊にならって日本の最高の三神を図案化し信仰されたもので江戸時代の掛軸である。右より八幡大菩薩、天照皇大神宮、春日大明神。


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