ぼくたち、わたしたちの北塩原村-082/110page

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2.郷土のためにつくした人々
(1) 裏磐梯に美しい緑をよみがえらせる
〜遠藤現夢の偉業〜
磐梯山の北側は、1888年の噴火で岩石がゴロゴロする荒野となり、何年も緑はもどりませんでした。その荒れた土地に木を植え、緑をよみがえらせようとしたのが、遠藤現夢という人です。
本名を遠藤十次郎といいます。1910年、磐梯山噴火口の下の方一帯を国からその土地の権利をゆずり受け、木を植えていったのです。
遠藤現夢は会津若松に住んでいましたが噴火のあと裏磐梯をもとのような美しい姿にもどしたいと思い、自分の財産をすべてこの仕事にそそぎこみました。
仕事の中心になって働いたのが齋藤丹之丞という人でした。
丹之丞は柳沼畔の小屋に住み、20年植林地の管理をしました。林業の専門的なことは、林学の博士の中村弥六という人にいろいろ教えてもらって進めていきました。
赤松を5万本、杉苗を3万本、漆苗を2万本の合計10万本を植えました。1日10人の人に働いてもらってすべて植え終わるまでに2年間かかったということです。
木の苗は、新潟から汽車で運び猪苗代から裏磐梯までは馬車で運びました。
今、わたしたちが美しい磐梯山や五色沼を見ることができるのは遠藤現夢の働きがあったからです。
遠藤現夢は、1934年に71歳で亡<なりました。生きているとき自分のお墓を裏磐梯に作りました。それが今も残っています。

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