高郷村勢要覧 -005/035page

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「たかさと」の魅力は川と緑の風景から

村の花
村の花/ひめさゆり
アイヅユリやサツキユリとも称され、高郷村に典型的な会津地方の日当たりのよい山地に自生する日本固有種。5〜7月に紅紫色の可憐な花を咲かせます。塩峯峠の自生地で保護・増殖が図られています。

村の鳥
村の鳥/ウグイス
高郷村の山地のような、ササの密生する明るい雑木林やヤブに住み、冬は人里近くに移る漂鳥。スズメほどの大きさで暗緑色。下面は灰白色。ホーホケキョがさえずりで、チャッチャッは、巣づくりの笹鳴き。

村の木
村の木/ケヤキ
川と緑の里のシンボル。川畔に多く、岩場ではモミジとの組み合わせが美しい。古くから日本海と会津盆地を結ぶ道すじに位置する高郷村の村里の日陰木や屋敷林に多く、用材として暮らしを支えてきました。

 21世紀へ向かうわたくしたちの社会は、個人の生活を重視する志向が高まっています。暮らしのゆとりや豊かさを積極的に味わい楽しもうとする生活への価値観が高まっており、その心豊かなゆとり社会を実感する指標の一つとして、生活を営む空間の豊かさが重要視されつつあるのです。
空間の豊かさ感は、なんと新宿の250倍!!
 磐梯高原の湖沼群、会津盆地の城下町や沃野を潤し悠々と流れ下る大川。尾瀬の可憐な花暦や奥会津の床しい民俗を映して渓谷美を描く只見川。それに、秘境飯豊の伏流水を集めた清流たち。
 高郷村はその合流点に位置し、猪苗代湖の55倍、流域面積5,700平方万キロの流れを集めた阿賀川が蛇行しながら森に包まれた村土の中央に横たわっています。
 村里は、その豊かな水と緑、秘めやかな野生の楽園に恵まれた自然環境に抱かれています。
 村の人口密度は60人/平方キロ。東京の新宿区の約16,000人に比べ、何と4%にも満たないのです。
若者流出なだれが続き、今では村の人口が半分に。
 高郷村誕生の翌年、昭和31年(1956)の経済白書は、戦後の回復による成長から、近代化による成長への移行を叫び、農業など経済社会の遅れた部分は、一時的に矛盾が激成されるごとく感じるかもしれない−とリポート。
 今日の世界に冠たる経済大国への道を歩む高度経済成長にともない、全国的に都市への人口流出が続き、高郷村でも57%に激減して今日に至っているのです。
環境創造の時代を迎えて見つめ直される郷土の山野。
 その間、過疎化が進む農村の活性化をめざして農業基盤整備が促進され、畑地50%水田39%の耕地は、水田82%畑地16%に逆転。そして、郷土の発展を阻害しているかにさえ思えた林野も、自然観光リゾート開発に絶好の資源として脚光を浴びつつありました。
 しかし、郷土空間づくりはいま、自然環境を意のままに変容し続ける開発主義から環境主義へ、自然を隔離する環境保全型から、自然と共生していくための環境創造型の発想へと転換を始めています。その川と緑の美しい自然公園そのものの郷土の魅力が高郷には息づいていたのです。
 二十一世紀は環境創造の時代。そして、郷土の原風景と対話の時代。わたくしたちは、心の豊かさが実感できる職・住・遊の融合した郷土づくりのありかたを、この郷土が誇る中山間地の魅力溢れる農村空間とそのくらしの伝統に学びます。

ひめさゆり2

円グラフ

航空写真3
只見川・阿賀川の河岸段丘に発達した集落 高寺山上空から望む。

海と結ぶ歴史の道と。
和紙と。葉たばこと。
只見川流域創出の夢、無尽蔵!!

南会津山地の年間50億トンに達する水量を集める延長137kmの只見川が阿賀川に合流する地点。農業基盤整備事業により1戸平均約5倍になった水田地域。村里には、歴史の道と和紙や葉たばこの畑作時代の床しい民俗を秘めています。

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高郷村の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。