高郷の地質と化石 会津化石研究グループ -001/066page

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I 地 質 編



 高郷村は、会津盆地を囲む山地の北西部、越後山地にあって400〜500mの尾根がほぼ南北に連ねています。村の中央を、只見川と合流した阿賀川が蛇行しながら、西へ流れています。この地域には、新生代後半からの地層が分布し、良好な露頭が各所にみられます。次に、その地層と観察される場所を紹介しましょう。

塔の窪付近の地層(1984年頃)
塔の窪付近の地層(1984年頃)

1.高郷村に分布する地層や岩石

 高郷地域に分布する地層は、46億年という、地球の全歴史で見ればたいへん新しい、新第三紀・中新世(約1500万年前)以降の地層です(第1図)。これらは、おもに新第三紀・中新世(ちゅうしんせい)の緑色凝灰(りょうしょくぎょうかい)岩(グリーンタフ)や泥(でい)岩、砂(さ)岩、凝灰岩(3   ページ)からなる海成(かいせい)層(海底に堆積した地層)と、鮮新世(せんしんせい)から第四紀の凝灰岩・泥岩・亜炭などから成る湖成(こせい)層(湖底に堆積した地層)や砂岩・軽石層の段丘堆積物から成りたっています。

   これらの地層の分布を第2図に示しました。立岩や滝下利田付近には花(か)コウ岩が分布し、新第三紀の地層の基盤となっています。その花コウ岩をはさむように新第三紀以後の地層が南北方向に長く分布し、東や西にいくほど新しい地層となっています。また塩坪(しおつぼ)など阿賀川流域や

                                        

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