高郷の地質と化石 会津化石研究グループ -018/066page
B おもな海生哺乳動物化石
多くはクジラの骨化石ですが、カイギュウの頭骨や肩の骨、アシカ類の歯や腕の骨化石など、珍らしく貴重なものも発見されています。第6図には、そのうちの、おもなものの部分名と発見日を示しました。
次に、動物ごとに化石を説明します。
骨の部分 記号 発見日 骨の部分 記号 発見日 クジラの堆骨(ついこつ) 73-A 1973・9・23 食肉類(しょくにくるい)の上腕(じょうわん)骨 82-I 1982・4・18 クジラの肢骨(しこつ) 74-A 1974・6・2 クジラの椎骨 82-K 1982・4・18 クジラの椎骨 74-B 1974・10・20 クジラの椎骨 82-M 1982・4・18 カイギュウの肋骨(ろっこつ) I 1981・5 食肉類の歯 82-P 1982・8・13 カイギュウの肩甲骨(けんこうこつ) 80-C-1 1980・11・3 クジラの下顎骨(かがくこつ)? 82-R 1982・12・4 カイギュウの胸椎(きょうつい) 80-C-2 1980・11・3 クジラの椎骨 82-V 1982・12・16 カイギュウの頭骨(とうこつ) 82-A 1982・4・18 食肉類の上腕骨(じょうわんこつ) 82-X 1982・12・16 カイギュウの橈尺骨(とうしゃこつ) 82-A 1982・4・18 td>食肉類の上腕骨(じょうわんこつ)83-E 1983・3・7 カイギュウの椎骨 82-B 1982・4・18 クジラの肋骨 83-B 1983・10・14 クジラの肋骨 82-J 1982・4・18
第6図 哺乳動物のおもな骨化石 1)クジラ化石について
クジラ化石が産出した地層は、塩坪層のおもに上部の砂岩層です。産出した部分は、第7図のようにクジラの背骨(せぼね)、肋骨(ろっこつ)などの化石です。これらは同じ地層から産出しましたが、互いに 離れたところから見つかっていますので、必ずしも一頭のクジラのものとは言えません。しかし、いずれの骨化石も大きく、海綿(かいめん)組織が目立つなどクジラの特徴をもっています。