会津本郷の野仏 -087/090page

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編集後記

 平成4年5月の町文化財調査委員会の席上で、議題として本町にある「野仏の悉皆調査の必要性」が取り上げられ、当委員会としてその実現に向けて取り組むことに決しました。

 町教育委員会もその必要性を痛感していたところであり、翌5年度には写真フィルム・その他必要消耗品費などを予算化して、悉皆調査を推進しました。

 幸い本町の本田東男氏の仲介により、民俗学の権威者であり、特に野仏について造詣の深い尾島利雄先生(宇都宮大学民族研究会顧問)のご指導を得ることも内定して、調査を開始したわけであります。

 調査は後日「会津本郷の野仏」編集発刊を想定して、本町全地区にある凡ての野仏を調査対象とし、写真撮影・銘文.石質・寸法・碑の由来など、集録に登載する事項が記入できる調査力ードを工夫作成してこれに当たりました。

 文化財調査委員五名は、町内を五地区に分け、それぞれの担当地区にある野仏について悉皆調査を行いました。調査に当たっては、地区の方々の情報を収集し、正確を期しました。時には調査漏れなどで幾度となく担当地区に足を運んだ委員や、雑木・雑草に覆われているものを刈り払いをして調査をしたこともありました。

 その間、尾島利雄先生には現地調査二回、写真・文献などを送付してご指導を受けたこと十数回に及びました。このため難解な野仏も解明することができました。特に佐藤金一郎委員の活動は目覚ましく、本書の発刊はそれが実を結んだといっても過言ではありません。

 平成8年度には全調査を完了し、調査力ードをもとに「会津本郷の野仏」観光に必要な野仏の解説・各種一覧表の作成などについて勢力的に委員会がもたれ、同9年度当初にはその草稿が完成して、本書発刊のための予算化を町教育委員会に申請いたしました。町当局もその重要性を認識され、平成10年度に「会津本郷の野仏」発刊に必要な予算措置が講じられ、本書発刊の運びとなったわけであります。

 特に尾島利雄先生には、調査中のご指導から監修までお引受けいただき感謝の念に絶えません。また町教育委員会の諸兄には雑多な事務処理などに努力していただき、これが本書発刊の原動力となっていることは言うまでもありません。

 終わりに発刊に至るまでご教導をいただいた多くの方々、情報などでご協力を賜った各地区町民各位に深甚なる謝意を表します。

会津本郷町文化財調査委員会委員長 鈴 木 甲 意


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