金山町町勢要覧 -004/026page
妖精が住むまち、金山1 湖に暮らす
深い森に抱かれた伝説のカルデラ湖。湖はまちの人々の心に行き続け、遠くからのたくさんの家族を迎え入れる。
伝説の湖は今も神秘の色をたたえる
町の東部の深い森の中に、神秘的な湖がたたずんでいます。それが金山町のシンボル「沼沢湖」です。あるときは光を受けてきらきらと輝き、あるときは 靄の中にしんと静まりかえってしまう。その変幻自在な表情をつくり出しているのは、湖に棲む水の妖精かもしれません。
一千年以上もの昔、地震で一夜にして生まれたと伝えられる湖には、その深さゆえでしょうか、大蛇が棲むという伝説がありました。ときに湖面に現れ 大暴れして村人に被害を及ぼす大蛇をしとめたのは、若松の領主だった佐原十郎義連。村人たちは神社を建てて義連の勇気をたたえ、大蛇を供養したといいます。
この伝説を今に伝えるのが、毎年夏に行われる「湖と妖精のフェスティバル」です。湖の上で繰り広げられる大蛇退治の時代絵巻は、見る人を幻想の世界に いざなう金山町の夏の風物詩。ここに暮らす人々の心の祭りと呼べるものなのです。湖畔で夏を楽しむたくさんの家族連れ
湖のまわりは、ブナとミズナラの森。長い冬の眠りからさめた森は、春の陽ざしのなかで少しずつ動きはじめます。四月には湖のヒメマス釣りが解禁となり、 湖畔の「妖精美術館」や、「大蛇館」もオープンします。
そして若葉の萌える頃には、湖も明るい陽ざしのなかで輝きを増し、深い青をさらに鮮やかにしていきます。キャンプ場や公園、湖水浴場などの施設が集まって いることもあって、夏にはたくさんの家族が訪れ忘れられない思い出をつくっていきます。湖畔に響きわたるにぎやかな子どもたちの声を、妖精たちも見えない ところで聞いていることでしょう。