金山町町勢要覧 -006/026page
妖精が棲むまち、金山2 森に暮らす
ブナ・ミズナラ・の深い森は、一年を通じて美しく彩られる。ゆりかごのように、たくさんの植物や動物を育みながら。
生き物を育む豊かな森
町全体が森におおわれている金山町。森は四季それぞれに美しい姿を見せながら、その懐に抱くようにたくさんの生きものを育んでいます。
春、森のなかで真っ先に目覚めるのはフキノトウでしょうか。やがて芽吹きの季節、春のよろこびを告げるのはカタクリの花。若葉の森を飛びながら鳥たちが歌い はじめると、木々の下では、コゴミやウド、ワラビなどの山菜が、次々と頭をもたげます。
濃い緑の葉を茂らせ、枝をのばす夏の盛りの森は、カブト虫やアゲハなど、虫たちの天国。子どもたちが虫を追いかけ森を走りまわっています。
そして、秋。森は至福の時間に満たされます。ドングリ、山グリ、山ぶどう、きのこなど、たくさんの実りに喜ぶのは人間ばかりではありません。眠りに つく前の動物たちも、きっと妖精たちも、森の恵みを求めて木々のなかで遊んでいます。にぎやかな森の学校を見守る気高い山
こうした森と上手につきあってきたのが金山町の人々。恵みを森からもらい、その生かし方を生活の知恵としてたくわえてきました。今、町ではこうした 生活文化を、都会からきた子どもたちに伝える活動が盛んです。炭焼きをしたり、豆腐づくりをしたり・・・・・。子どもたちは大喜びで体を動かしています。 「自然教育村」と呼ばれるこの活動は、いわば森のなかの学校なのです。
心暖まる交流を変わらぬ姿で見守るのは、ひときわ高く雄大な御神楽岳。かつて信仰の山として敬われた山は、ブナの原生林の中、山登りが楽しめる山として親しまれています。 山頂からの眺めは、森の豊かさそのもの。忘れられない絶景です。