鮭立磨崖仏 - 038/135page
B ― 大黒天(だいこくてん)
インドでは戦闘神としての一面をもちながら、他面では福を授ける神さまです。
人の肉を食うダキニ(茶枳尼)という夜叉を集めて責め、降伏させて人の肉を食わないよう約束させたといいます。そのときのお姿は髪の毛が逆立っていて恐ろしいかたちです。
一方、福神のときのお姿は財宝の入っている袋を肩にかついだり、あるいは金が入っている袋を手に持つかたちで、むかしから食物に不自由しないようにと寺院の台所にまつられていたといいます。
これが日本に伝わると、食物の神さまとしての面が強くでて福神になり、さらに大国主の命とも同じ読み方をするので両方が合体してすっかりかわってしまったようです。農業の神さまにもなり、打てば何でも好きなものが出る打出の小槌というすばらしい道具をもって米俵にのるようになりました。