鮭立磨崖仏 - 040/135page
C ― 倶利迦羅不動(くりからふどう)
むかし、不動明王が仏教を信じない異教の人と論争をして、法力(修行の結果得たふしぎな力)の争いをしたときのことです。不動明王が剣に変身したところ、異教徒もまた剣に変身しました。テレビで子供に人気のあるウルトラマンの古代版でしょうか。そこで不動明王は、倶利迦羅龍に変身して、四足をからめて剣にまきついて呑みこもうとしたので、異教徒は降参してしまったといいます。これは、不動明王の力の一部を示しているのです。
この龍王にお祈りすると、雨を降らせてもらったり病気が治るといいます。当地ではいわゆるホロシの神さまとして信仰されていて、ホロシ、今でいうはしか、かいせん、じんましんなどの皮膚病にかゝったときは、豆腐を半丁を供えて治るようにとお願をして、治ったときは残りの半丁を供えてお礼をするならわしです。
お姿は剣に龍が巻きついています。県内では他には見られないようです。