鮭立磨崖仏 - 042/135page
D ― 地天(ぢてん)
堅牢地神ともいわれ、大地をまもってすべてのものを育てる神のようです。
すべての作物が豊作でありますようにと祈っている農村の守護神で、地鎮祭のときにはこの地天をまつります。
お釈迦さまが悟りをひらかれたとき、地中からあらわれ出て仏になられたと告げたという、いわゆる地神證明の説話がよく知られています。堅牢地神とか地天という文字を刻んだ石塔は当地方にもあります。お姿はいろいろありますが、雲の中にいて花を盛った器をもっているのが多いようで、鮭立磨崖仏もこのお姿を刻んでいます。
下方の雲が一部剥げおちていますが、台座の下の方まで雲のかたちが刻まれています。