鮭立磨崖仏 - 056/135page

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I ― 聖観音(しょうかんのん)

 単に観世音菩薩というときは、聖観音をさしています。

 普門品(ふもんぼん)というお経には、「どうして観世音というのですか」という問いに対して、「仏は、もし衆生つまりあらゆる生きとし生けるものが苦しみをうけたときに、一心に観世音菩薩の名をとなえるならば、その声をみて直ちにかけつけて苦しみから救うからだと告げられた」と書いてあります。観世音とは、世間の音をよく聞きわけて救うという意味です。その利益は現世ばかりでなく、来世では勢至菩薩と共に阿弥陀如来に従って死者を極楽浄土へ導くことになるのです。それで観音菩薩は、一般大衆の中で一番信仰されている菩薩と言われています。

 お姿は、右手は施無畏(せむい)印という畏れをとりさって安心させる手のかたち(印相=いんぞう)をして、左手に蓮華をもっています。


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