鮭立磨崖仏 - 058/135page
J ― 牛頭天王(ごづてんのう)
牛頭天王は、京都祇園社の祭神として知られています。祇園社は一つの社ではなく、牛頭天王、八坂神社、感慶寺が合体したもののようです。
インドでは雨期と乾期があり、雨期には巡行が出来ないので、雨安居(うあんご)といって一か所に止まって修行しました。王舎城にあった雨安居の場所が祇園精舎で、精舎とは、修行に精をだす者の簡単な住居という意味です。牛頭天王はその祇園精舎の守護神だったといわれています。
また流行病を除く神でもあって、貧乏だったにもかゝわらず牛頭天王を泊めた家は流行病があったとき難を免れ、金持ちだったのにもかゝわらず泊めなかった家は助からなかったという話があります。牛頭天王は、神と仏を一つところにまつる神仏習合の時世の波をうけて、スサノオノミコトと合体するようになりました。そのお姿は各種ありますが、頭髪を逆立てゝ頭に牛冠をつけ斧と索をもつのが一般的です。鮭立のはこのお姿です。
文字塔は方々にありますが、石像は極めて稀にしかありません。