鮭立磨崖仏 - 064/135page
L-A ― 文珠菩薩(もんじゅぼさつ)
文珠菩薩は、菩薩の上首(じょうしゅ)、つまり代表的な菩薩です。
獅子に乗って普賢菩薩とともに釈迦如来につきしたがっているお姿は、いわゆる釈迦三尊像としてよく知られています。「三人よれば文珠の智慧」という諺がありますが、文珠菩薩はほとけの智慧門を司る菩薩です。獅子は百獣の王といわれるように、文珠菩薩の智慧は誰よりもすぐれているとされています。持物の剣は、一切の問違いや無益な議論をたち切り、衆生の悪い心のはたらきを切って捨てるためのものといいます。
受験シーズンともなると、菩薩の智慧を頼って多数の学生生徒がおまいりし、山形県にある亀岡文珠や会津高田町の文珠菩薩が賑わうことでよく知られています。
禅宗では修行の場である僧堂の中央にまつられていますが、このときは僧形につくられます。
お姿はいろいろありますが、鮭立では釈迦三尊像で獅子に乗ったかたちです。