鮭立磨崖仏 - 076/135page
P ― 十一面観音(じゅういちめんかんのん)
六観音の一員で十一の顔をもつ観音です。人々の十一の無明(むみょう)、つまりまよいや無知をさとりにかえるとされています。
この観音に祈ると、現世では十種の勝利といって病気をしない、衣食に不自由しない、火難、水難をのがれる、災難で死ぬことはないなどという十種のご利益があり、また来世では臨終のときに仏をみることが出来る、地獄におちない、無量壽国つまり阿弥陀如来の国に生れるなど四種の功徳(果報四種と称します)が得られるといわれています。頭部の宝冠にある十の小さい顔は十種の勝利をあらわしているともいいます。コロリ観音の名で親しまれ、あまり周囲の人に迷惑をかけないで往生したい、と願うお年を召した方々に信仰されている、新鶴村の中田の観音さまはこの十一面観音です。
修験道では重要な位置にある観音のようです。