鮭立磨崖仏 - 100/135page
― 三宮(さんのみや)
女神形で大きな唐扇をもつお姿は、高野山四社明神中の一ノ宮か、または比叡山の山王七社権現中の三ノ宮と考えられます。どちらも寺の境内を守護する神とされています。
鮭立の修験者は比叡山に本山をおく天台宗と関係の深い本山派に属しているので、この三ノ宮とするのが適当と思われます。
伝えられているところによると三ノ宮は、普賢菩薩が法華経をもって紫の雲にのって比叡山中の大獄山におりられ、この女神の姿になってあらわれたとされています。少し風化していますが、宝冠をつけた女神形で大きな唐扇をもったお姿です。
県内でもこのような形のものは見当らないようです。