鮭立磨崖仏 - 106/135page

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 尊名不詳

 判別はむずかしい尊像です。右手に宝珠、左手に斧をもった山神像とも、または右手に宝塔、左手に矛をもった毘沙門天とも考えられます。

 毘沙門天は四天王の一員で多聞天ともいわれ、仏教的世界観の中心に位置する須弥山(しゅみせん)の北方を守ると称されています。単独でまつられることも多いようです。

 東北地方には、京都に対して北方という意味から毘沙門天が多くあるようです。町内にも、石仏ではありませんが、本名、上横田、大塩などに毘沙門堂があります。護法神つまり仏法を守る神ですが、持物の宝塔から多くの宝物を出して衆生に与える福神とされ、七福神の一員になっています。

 武勇神としては上杉謙信が信仰したことで知られ、上杉氏の旗差物は「毘」でした。

 お姿は、矛または宝棒と宝塔をもっている武装形が主のようです。


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