鮭立磨崖仏 - 108/135page
― 増長天(ぞうちょうてん)
増長天は帝釈天(たいしゃくてん)の宮殿のある須弥山の中腹にいて、帝釈天に仕える四天王の一員です。南方を守ることを任務とする、護法神つまり仏教を保護し守る神とされています。
聖徳太子が戦勝を四天王に祈って、のちに四天王寺を建てたことはよく知られています。
石像に造られた増長天としては、鹿児島県の隼人塚の石仏が平安時代のものとして有名です。また般若十六善神の一員としてまつられることもあります。大般若会のときこの般若十六善神の画像がかかげられるので、つぶさにそのお姿を拝観することができます。このときの持物は杵です。
お姿は刀と矛をもつものと、右手に剣、左手は握って腰にあてているお姿がありますが、当地のは後者です。
県内では、他にはないようです。