鮭立磨崖仏 - 116/135page
― 雷神(らいじん)
雷は音のすさまじさ、太い木の幹でも引き裂く力、落雷による火災や死亡事故など、恐ろしいものとされていました。そして、それは雷神のやったことと受けとられていたので、この雷神をまつりました。また、一面では雷は雨をふらせたり、植物の養分になる窒素を溶かして生育を助けて、豊作をもたらすので稲作との関係が深く、農作の神として信仰される面もありました。千手観音の従者として廿八部衆の一員に加えられています。
石に彫った像としては太鼓を連ねた輪を背にした鬼の形をしたものが多く、鮭立の磨崖仏も鬼がバチを手にした姿です。大きな目がとても印象的です。
鮭立では、旧暦三月十五日に雷神さまのお祭りをしていました。
雷神をまつった社としては、隣村の大芦に雷電神社があり三月にはお祭りがあります。
文字で雷神と刻んだ碑はありますが、像を彫ったものは会津地方ではないようです。