カラムシ資料集その1-011/028page

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植物分類
日本帰化植物図鑑
イラクサ科
359.ナンバンカラムシ Boehmeria (L.)GAUDICH
多年草。根茎をひき、茎は高さ0.6〜2m、全面に立ったあらい毛がある。葉は互生、卵円形で、先は急に細まって尾状となり、長さ15cmに達し、ふちにはよくそろった歯が並び、下面は綿毛に被われて白色。葉柄と葉の下面の脈上には立ったあらい毛が多い。花穂は円錐状に分枝、茎の上方のものは雌花、下方のものは雄花よりなる。雌花は淡緑色で小球状に集まり、筒形の花被(がく)に包まれた1個の雌ずいよりなる。雄花は黄白色で花被(がく)片4個、雄ずいは4個で白色のやくをもつ。果実は微小、花被筒に包まれ、長さ0.8mm。花期は夏〜秋。[備考]アジア大陸原産。日本には繊維資源として古く渡来、ラミーはその一型で、更に大きく葉柄が長い。在来のカラムシssp.nipononiveaは全体やせ形で、葉先はだんだん細まり、葉柄や脈上の毛は短くねている。
原色牧野植物図鑑
いらくさ科
122.カラムシ(マオ)[マオ属]Boehmeria nivea Gaud.
日本各地、および中国、インド、マレーの温帯から暖帯に分布。原野にはえるが、畑に栽培される多年草。根茎は木質、地中枝をのばして繁殖。高さ1〜2m。葉の裏面が白綿毛を密生。花は夏から秋、茎には強い繊維があり織物を作る。和名は皮のある茎を蒸して皮をはぎ取ることにちなむ。一名マオは真の麻の意味。漢字苧麻。種小名は雪のような意。
世界有用植物事典・植物編
Boehmeria jacq. ヤブマオ属 [英]False Nettle
双子葉植物、イラクサ科、多年草、低木または小高木。世界中の熱帯および温帯域に分布し、約100種がある。とくにアジアに種類が多く、日本には30種ほどが知られている。その多くは無融合生殖をする性質をもち、変異に富んでいて分類が難しい。
矢原徹一十星川清親 この属のクサマオ、ヤブマオ、アカソは、第2次大戦前や戦時中には繊維をとるために利用された。茎が赤みをおびるアカソに対して、他の種類はアオソとよばれたこともある。また、この属の植物の若芽は食用とされることがあるが、まずい。クサマオの根は苧麻根の名で、解熱や止血に使われる。
国史大辞典
あおそ 青苧
イラクサ科の多年生草本の苧麻(ちょま)から取った繊維をいう。広く山野に自生していた山苧(苧麻)は古くから衣料の原料として利用されていた。おそくとも鎌倉時代末ごろ以前から、これを畑に植えて肥培管理するようになった。この苧麻の根から芽を出し、二〜三メートルほどに達したものを刈り、茎を水に浸して筵で覆って蒸す方法によって得られたものを青苧、一名乾蒸(からむし)という。中世以来代表的特産地は越後であったが、近世に入って、会津・米沢・最上などで生産が高まり、元禄以後、越後の青苧栽培は衰えた。米沢藩では慶安四年(一六五一)青苧畑の検地とともに青苧役取立法を定め、強制的に買い上げ、専売の形をとって支配した。青苧は織物の原料として奈良晒・越後縮などに使用され、製織者はこれを青苧市(越後の千手・仙田・上郷・高柳・松之山など)や青苧行商人・問屋などから購入した。なお、■布(縮布)の製織工程は、青苧→苧績み→(水通し)→よりかけ→かせかけ→煮沸・灰汁水晒し・染・艶出し→枠かけ→機ごしらえ→機織

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