歴史・自然・文化 Shimogo -001/015page

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下郷町文化財の概要

 わが町は約3000年前より人々が住みつき、数多くの文化遺産 を現代に残しております。
 ちなみに縄文から弥生時代にかけての遺跡が50余ヶ所を数え、 中世の土豪の館跡も12ケ所も確認されております。
 9世紀藤原氏の荘園制のもとに「長江の庄」と呼ばれた中核 地域として栄え、無限の遠世への歴史をいざなう可能性を秘め る郷土であります。
 信仰の里としても知られ、中・近世に入ると下郷三観音(中 の沢、小野、岳)の巧緻に富む建築手法の仏堂を始め、数多く の仏堂と、そこに祀る格調の高い仏像が安置されております。
 特に山岳信仰に基づく修験道が盛んで、聚落のほとんどに修 験者が住み、加持祈祷、況術による民間信仰が行われてきまし た。
 このことから密教系の寺院が、江戸末期まで20余院にも及び、 その本地仏である大日如来、その化身の不動明王を祀る数は聚 落の半数を超える18地区に及んでおります。
 無形民俗文化財としての祭祀行事として、大内宿の「半夏祭」 成岡の「大根祭」なども往時のまま継承されております。
 現在東北で唯一の宿場として、伝統的建造物群保存地区とし て、国の選定を受けた大内宿は、家並みの復元、本陣(町並み 展示館)も建築中であり、高倉宮以仁王潜行の里として宿周辺 には数多くの伝説にちなむ史蹟があります。
 わが町は那須連峰の明媚な風光に恵まれ、国指定の名勝天然 記念物としての塔のへつり、中山風穴の特殊高山植物群生地を始め、 銘樹木も多く、モリアオガ工ル、ハッチョウトンボなど珍しい 諸生物も棲息しております。
 関東圏内に入るわが町は地域の開発と相挨って、自然や祖先 の文化遺産との調和ある保護と継承をはかり明日への飛躍をめ ざしいそしんでおります。

下郷町文化財保護審議委員会議長
文責 玉 川 寿 一


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