舘岩村要覧 -024/028page
会津高原たかつえが創造しい。
たていわのゆとり空間は交流都市型
高杖原の原風景は木の文化を温める保城峠の木地帥の里。木をくりぬいた椀は、ドングリの実の形をヒントにしたという。特産の会津椀は江戸の市中を制したとされるほどでした。
和風に洋風にと宿泊施設が工夫を凝らす思いはひとつ、個性と魅力に満ちた舘岩らしさの装いです。
ボギーをたたいて思い巡らすのは、通年型の出会いの街づくりです。 高杖の吹雪の里は寒けれど
スキー広場に希望の火もゆ ゲレンデ15コース。リフト9本/8,353m。宿泊施設はホテル風・旅館風・ペンション風・民宿風あわせて100軒余り。東武鉄道の絶大な協力を得た第三セクター方式による会津高原たかつえスキー場は、1981(昭和56)オープン以来、289万人のスキーヤーで賑わい続けています。
ふもとの農家60余戸の仲間が、この地に県営パイロット事業による東北一の酪農創出を夢見て20年。山林を拓いた牧草地は250ha。450頭の乳牛を飼育し、年間1,000tの搾乳をもくろみました。しかし、牧草が思うように育たず挫折感にさいなまれているのを見かねた村は、舘岩名物の豪雪を逆手にとった本格派のスキーリゾート創出構想を提案。その画期的なビジョンに魅せられて懸命に建設ワークを手伝います。
あれから更に20年滞在型交流の歓声がこだまする『会津高原たかつえ』。夢のようだ−と瞳を輝かす村人たちは食堂や民宿経営の先駆者ともなりました。そんな古老のひとりは短歌クラブで詠んだ日の心境を懐かしみながら、定住志向の地域づくりの限界と、「交流」が誘発する可能性をいち早く教えてくれた郷土の大地の温もりに感謝する日々です。
21世紀は、遊び心豊かな郷土づくりの時代。そして、業態が変わる時代。心の豊かさを求めて超移動型杜会を迎えた今こそ、わたくしたちは、ゆとりある生活環境の創出を軸に、生活、文化、産業活動の融合する新たな展開の契機とします。