伊南村村勢要覧 -025/027page

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Uターン・Iターンのすすめ

曽根 秀雄さん
曽根 秀雄さん
曽根 てる子さん
曽根 てる子さん

曽根さんご夫婦の場合
    (伊南村大桃在住)

 伊南村大桃地区にお住まいの曽根さんご夫婦 はどちらも生まれ育ちともに関東出身。ご主人 は足立区に三代以上にわたって根を下ろした生 粋の江戸っ子で、奥様は茨城生まれの埼玉育ち。 当然どちらも雪の少ない、便利のいい場所で育っ た人達だ。

 緑あって九六年に村内の大桃地区に一戸建を 持ち、まずは奥様が定住。その二年後、仕事に けじめをつけたご主人がようやくこの地に落ち 着いて夫婦二人の暮らしが始まった。

 二人いる子供は早くから独立し都会暮らし。 忙しいため、一年に一度顔を見せるかどうかと いうマイペースさだ。

 もともとご主人が山好きで、夏は登山、冬は スキーを、特に二〇代には夢中になってやった。 奥様と結婚をし共働きで子供を育てる中、ご夫 婦でゆくゆくは自然に囲まれた暮らしを、と話 し合っていたという。

 漠然とながら、あちこち旅で巡る風景の中に 夢を描いた。それが現実になったのは、奥様の 知人のつてで大桃の民宿に遊びに来たのがきっ かけだ。

 近年は伊南村もあまり簡単に土地を譲ること も無くなったが、親しくなった民宿のご主人が 「まあ、あんたたちなら」と快く提供してくれ、 トントン拍子に話は進んだ。まさに緑に恵まれ たといっていい。

 現在、奥様は村役場の臨時職員、ご主人は夏 は森林組合、冬はスキー場にお勤め。生活はも ちろん都会に暮らす時とは一八〇度変わった。 仕事は定時に終わり真っ直ぐ帰宅。九時には床 につき、日の出と共に起きる、念願の生活サイ クル。

 一番近いスーパーまで一〇キロもあるのには 驚いたが、車があれば何の不便もない。車中心 の生活で、逆に運動不足になるところだが、そ こは山好き、近隣の登山道のある山はすでに登 りつくしたという。山菜とりや茸狩り、夫婦で の散歩も欠かせない日課だ。

 除雪が行き届いているとはいえ、都会から雪 の里に越して早くも五年目になる奥様。「そろ そろ雪もイヤになったんじゃない?」という周 囲の心配もなんのそので、雪の降り積もった柔 らかな曲線が優しくて暖かくて好きだという。

 自然の中、自分のペースで生活できるのが何 より。都会暮らしのギシギシした毎日の中で失っ てしまった精神的なゆとりを取り戻している感 覚がわかるという。

 住むための届けを出せば確かに「住民」には なれるが、本当の意味での村民になるには、あ たりまえのことかもしれないが、まず村に溶け 込む努力が大切、とご主人は語る。そうすれば 周囲は必ず暖かく応えてくれるもの。

 こういう柔軟さが必要ということ、そして新 しい仕事の中で人間関係を築いて村の一部にな るのなら、定年ギリギリまで都会にいるよりも、 ある程度先の見通しがついた年齢で思い切ってジャ ンプするということも選択のひとつだ。


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