まえがき

　みなさんの住んでいる只見町は,大昔から人々が暮らしていました。大倉にある窪田遺跡は,そのようすがわかる貴重な遺跡です。また,浅草岳などの美しい山々と只見川や伊南川の清流にはぐくまれたすばらしい自然はわたしたちの宝です。このすばらしい自然の中,先人たちがたゆまない努力と工夫によって長い歴史と伝統をきずきあげ,今日のように豊かで住みよい只見町ができたのです。
　みなさんには,社会科の授業で,自分たちが住んでいる只見町のことを調べるとき,先人たちがいかに生活してきて,今どのようなことをしているのかを知ってもらいたいと思います。そこで只見町のことが楽しく学習できるように,地図や写真などをたくさんいれた「わたしたちの郷土只見町」という本を平成3年に刊行しました。これは只見町の出身で今は郡山市に住んでおられる菅家惣右工門さんが,只見の子どもたちのために役立ててほしいと寄せられた基金によってはじめて作られたものです。
　それから5年がたち,町の様子もずいぶん変わりました。そこで,今回,写真や記述内容を改めて編集し,発刊することになりました。この本によって只見町のことをよく知り,郷土を愛する情熱にみちたりっぱな人になってほしいと念願しております。そして21世紀に向かって,理想の只見町を築くためにはどうしたらよいか,みなさん一人ひとりが考えてくれるようになればうれしく思います。
　最後に,この本をつくるにあたってたくさんの方々からご協力をいただきましたことを心より感謝申し上げます。

平成9年3月31日
只見町教育委員会