博物館学習指導の手引き-026/098page

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関連単元名:かわってきた人々のくらし
展示コーナー:g:エントランスホール
資料名:昔の生活用具、じざいかぎほか


相馬地方は、豊かな自然と比較的温暖な気候に恵まれ、この地方の風土に根ざした生活を営み、生活文化が伝承されてきた。この生活文化は、今日の私達の生活意識や行動に少なからず影響を与えている。昔の生活用具は、現在失われつつあるこの地方に伝承されてきた衣食住を中心とした生活文化や、農業などの生業について知る手がかりとなる。

【家の中・外で使われるもの】
わらぞうり
わらぞうり 靴がなかった頃、藁を編んで履物にした。
暖かく軽いもので家や学校の履き物に使われた。
藁だけをワラゾウリ、布をまいて作ったものをヌノゾウリ。

げた
げた 外を歩くとき、木を足に合う
ようにけずり、底を二の字の歯を作ったり、円
形に削ったりして歩きやすくした。上には三つの穴をあ
け、前の穴と両端の穴に麻・シュロなどで鼻緒を通して、
親指と人差し指の間にかけ、はきやすくしたもの。

ひばち
ひばち
冬、部屋を温かくするため、木を燃やして残っ
た灰を入れた円筒形の容器に炭を赤くして灰の上に置く。
お茶をわかす道具が入っている長方形の箱をナガヒバチ
という。

じざいかぎ
じざいかぎ 昔の家には火を焚いて暖をとった
り、食物を煮たり、焼いたりできる炉端があった。そこ
で鉄瓶や鍋をさげ、火の強さ弱さによって低くも高くも
調節できるものがジザイカギである。

【雨よけに使う用具】
すげがさ
すげがさ 長い葉っぱのスゲという草を干して
編んで作ったもので、円錐型の形やとがっ
た形をしているかぶりもの。雨の日は雨よけ、晴の日は
日よけに使われた。傘やカッパの進歩によって使われな
くなった。

あじろがさ
あじろがさ 竹をたてにわり、皮だけを薄く
して編んで作ったもの。晴れの日は強い日差しをよける
ためにかぶる。

【炊事】
はがま
はがま 炊事用の釜。かまどに木を細かくして
燃やしてその上にはがまを置きご飯を炊く。

えじこ
えじこ ごはんを温かく長い時間置くための藁で
円筒形に編んだもの。
大きくしたえじこは赤ちゃんなど歩けない小さい子
供を入れておくものもある。

【裁縫】
アイロン
アイロン 電気が十分でなかった頃は、船型の
容器に炭を赤くして入れて動かし、洗濯の後のしわや、
針で縫った端をきれいにするために使った。

【娯楽】
らっぱ式ちくおん機
らっぱ式ちくおん機 レコードを聴く時にっかうゼンマイ式のもの。
音を大きくきれいに聴けるようにラッパをつけている。


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