小高町町勢要覧 -003/012page

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ODAKA TOWN ◎野馬追祭/野馬懸・火の祭

小高に息づく武士道精神。
それは地域のシンボルとして開花する。

小高は、野馬追祭の原型ともいわれる「野馬懸」、そして野馬追祭にあって唯―の"静"の神事である「火の祭」が行われるまち。
まちに息づく熱い武士道精神は、今も地域のシンボルとして脈々と受け継がれている。

兜

武芸鍛練と妙見信仰のシンボルであった野馬追

 小高町は戦国絵巻を現代に伝える「相馬野馬追」の重要な舞台。国指定重要無形民俗文化財に指定されているこの祭のルーツは約千年もの時をさかのぼる。江戸時代に、この地を領した相馬氏の祖、平将門が下総国(現在の千葉県)で催していた野馬を敵に見立てての武士の鍛練が、やがて子孫の相馬氏によって現在のような祭礼のかたちに整えられた。

 毎年七月二十三日から二十五日にかけて、いまも旧相馬藩領にあたる相馬市、原町市、そして小高町に、古式に則った甲冑に身を固めた男たちが操る約600頭もの馬が集結する。神 輿を守りながらの武者行列「お繰り出し」、陣羽織姿の若武者たちによる古式甲冑競馬「宵乗 競馬」、そして上空に打ち上げられた神旗を数百の騎馬武者が奪い合う「神旗争奪戦」などが 繰り広げられた末、二日間にわたる祭礼は、小高妙見神社の「野馬懸」で幕を閉じる。

野馬に挑む
野馬懸で、御小人は命がけで野馬に挑む

裸馬を小高神社へ追い込む
裸馬を小高神社へ追い込む

火の祭、そして野馬懸祭へ

 「野馬懸」は騎馬武者が境内へと追い込んだ野馬を、白装束の御小人たちが捕らえ、こ れを妙見神に献納する神事。

「相馬野馬追」のなかでも、もっとも古来からの伝統を色濃く残すのがこの「野馬懸」とされている。

 小高町の「相馬野馬追」のもうひとつのクライマックスが、二十四日の夜に行われる「火の祭り」。町民の手によって田園に三千数百の篝(かがり)火が灯される。これは騎馬武者たちの行列を小高町に迎えるために焚かれた篝火の伝統をいまに受け継ぐものだ。そして、打ち上げ花火。天には花火、地には篝火。馬場を疾走する騎馬武者の「動」と、闇を照らす篝火の「静」が、小高町の夏を勇壮に、そして華麗に彩る。

出陣式(小高神社)
出陣式(小高神社)

墓前祭(同慶寺)
墓前祭(同慶寺)

町内騎馬行列
町内騎馬行列

幻想的な火の祭
幻想的な火の祭


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小高町の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。