川内村民俗芸能のしおり -001/041page
一、概 説
四季折々の祭りや年中行事などに、子孫繁栄と五穀豊穣を祈って 繰り返し演じられてきた民俗は、かつて「郷土芸能」・「民間芸能」など いろいろな名称で呼ぼれていたが、いずれも庶民のひたむきな信仰と結び ついて生まれ育ったものである。それは、長い年月と途方もない多くの人々 の生きるがためのたゆまざる努力の結晶であるだけに、素朴ながらも この上ない奥深い魅力を秘めている。
福島県は、本州第二の面積を有し、浜通り、中通り、会津の気候風土の 異なった三地方からなり、しかも関東に接しているだけに一早く中央の文化を も移入したためであろうか、その地方の風土や歴史に支え られながら、今日まで継承されてきた民俗芸能や祭礼神事は多彩で分布も広い。 ことに民俗芸能は、まだ、神事といえるような古風で素朴なものからみごとに、 風流化ないし舞踊化されて華やかになったものまで、あらゆる分野にわたって伝承されている。
民俗芸能は次のように分類される。神楽
(一) 巫女神楽(巫女舞、稚児舞)
(二) 出雲流神楽(太々神楽、十二神楽)
(三) 伊勢流神楽(湯の花)