広野町勢要覧 -017/031page
童謡のまち響け歌声
広野町の美しい自然を舞台に、古くから多くの童謡が作られています。“今は山中今は浜 今は鉄橋わたるぞと 思うまもなくトンネルの やみを通って広野原’の歌詞で明治、大正、昭和、平成と愛唱されてきた「汽車」は、 作者不詳とされてはいるものの“広野原”と唄われる詩の内容から現在のJR常磐線久之浜〜広野間の景観と一致 しています。広野町では、「鉄道唱歌」を作詞した愛媛県宇和島出身の国文学者大和田建樹氏が東北地方に旅行さ れたおり、この区間の情景を詩にしたもの語り継がれてきました。 もう一つ広野町を唄った有名な童謡に「とんぼのめがね」があります。“とんぼのめがねは水色めがね 青いお空を飛んだから 飛んだから”でおなじみのこの歌は昭和23年頃に広野町で開業医を営んでいた額賀誠医師(ペンネーム誠志)が作詞されたものです。当時、額賀誠医師が医院から片道12キロメートルほど離れた山間部に往診に行った際にその家の子供がトンボとたわむれている情景を描いたとされています。これらの歌は、自然豊かな広野町の素朴な姿を後世に伝えていくことでしょう。
明治、大正、昭和にわたって愛唱されてきた小学校唱 歌である「汽車」の作詞を記念し、昭和57年に」R常磐線 の広野駅前広場に「汽車」の歌碑が建立されました。