まんが吉田富三博士の生涯 -164/204page
「そのスマートな表現と文法的正確さに羨望(せんぼう)と焦燥(しょうそう)と狼狽(ろうばい)を感じたんだ」
「なるほど それにひきかえ 日本語の特に漢字のなんと複雑でおぼえるのに時間のかかることか…」
「そう そして漢字こそ日本の進歩を阻害(そがい)している元凶(げんきょう)として国語の改良に出たんだ」
「反対者は国賊ですか」
「ははは… 森有禮(もりありのり)は 英語をもって 日本語とするなんていっている」
「戦後 志賀直哉はフランス語を日本語になんて… まぁ これは逆説ですが…」
「大事なことは 明治35年の国語調査委員が 大変なことを決めたんだ」