県北地方の農林業のすがた -001/092page
I 県北地域の概況
1.位置・地形
県北地方は、福島県の中通り地方の北部に位置し、福島市・二本松市・伊達郡(9町)・安達郡(4町2村)の17市町村からなり、総面積は1,753km2と県土の約13%を占めています。
東は阿武隈山地を境に相馬地方、西は奥羽山脈を境に会津地方と山形県、北は宮城県、南は郡山市を中 心とする県中地方に接しています。
これら山地に囲まれた区域に、福島市と二本松市を中心とした信達盆地が広がっており、中央部を阿武 隈川が流れています。
このように、当地方は豊かな自然に恵まれ、自然公園や数々の温泉地等多くの観光資源を有するととも に、もも・りんご・なし等全国有数の果樹生産地帯を形成しています。
2.交通
鉄道は、東北新幹線・山形新幹線(奥羽本線)・東北本線のJR各線と、第3セクターの阿武隈急行、 福島交通飯坂線があります。道路は、東北自動車道と国道4号線・13号線・114号線・115号線が管内を走り、さらに、東北中央自動 車道が本地方を横断する計画もあるなど、全般的に恵まれた交通条件を要しています。
このような高速交通網の整備により、宮城県や山形県等隣接する地域だけでなく、首都圏とも短時間で 結ばれ、これら地域との交流・連携が活性化しつつあります。
3.気象
奥羽山脈と阿武隈山地に挟まれた盆地のため、内陸性気候に属します。春は日照時間が多く、空気は乾 燥し、気温は急速に上昇しますが、5月半ば頃までは遅霜のおそれがあります。夏は盆地特有の猛暑とな る一方、冬は寒さが厳しく、年間の寒暖差が大きくなっており、積雪は一部を除き比較的少ない地域とな っています。年間の平均気温は10〜13℃で、平均降水量は1,100〜1,300mmとなっています。
これらの気象条件のもとで、それぞれの地域特性を活かした農林業が展開されています。