福島県水産試験場研究報告 第10号 - 029/073page

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 得られた年魚間の相関から新たな予測手法を検討し、従来の手法と比較した。

 結   果

 近年の来遊変動状況

 各道県の秋サケの来遊尾数と稚魚放流尾数について図1に示す。放流尾数の増加(各道県)、放流サイズの大型化(北海道、岩手、宮城)等により1995年まで来遊尾数の増加がみられたが、1996年以降は年々減少傾向にある。

 これらの来遊状況について、1990年以降のデータをもとに来遊尾数の相関を調べた結果を表1に示す。なお、1990年を起点としたのは、放流年級群が回帰終了した思われる6年前の稚魚放流年級群(1984年級群)頃から各道県とも餌付け放流と放流尾数が現状の規模となったことによる。この結果では、岩手県と福島県、宮城県と福島県、北海道と青森県、北海道と岩手県、青森県と福島県の順に有意な相関が認められた。概して、北海道と本州太平洋各県では、相関が低い結果となった。

 一方、福島県の12河川においては、表2に示す来遊変動の相関となり、県合計と各河川の相関では小高川、木戸川、新田川、夏井川、井出川、請戸川に有意な相関がみられた。概して、福島県浜道り地区の中で、宮城県に流入又は隣接する阿武隈川、宇多川、および茨城県に隣接する鮫川は相関が低い傾向となった。

表1

表2


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