平成13年度 事業報告書 - 083/171page
2) クロマグロ・カツオ漁場形成調査
早乙女忠弘・松本育夫*・小野安芳
鈴木俊男・鈴木正剛・飛田義春目 的
漁業調査指導船「拓水」を用いて本県沿岸に来遊するクロマグロ未成魚(以下メジと記す)及びカツオの漁場調査を行い、当業船に漁場情報を提供して操業の効率化を図る。
方 法
漁場探索調査は、平成13年5月28日〜12月17日にかけて、37°25´N以南、142°30´E以西の海域(図1)で計19回調査した。調査方法は、一般的な曳釣漁具(潜航板2、ヒコーキ2、バクダン2)を用いた漁獲調査の他、表面水温、鉛直水温・塩分、魚探反応等を調査した。
また、調査船による漁場調査結果をとりまとめて曳釣情報として適宜発行した。結 果
いわき海域における曳釣、沿岸一本釣は、例年より早い5月中旬(例年は9月以降)からカツオ漁が始まったが、6月上旬には漁が途切れた。しかし、7月下旬には再びカツオ漁場が形成され、9月中旬まで漁が継続した。9月下旬以降は、カッオに代わってメジがみられるようになり、12月上旬頃に終漁となった。いわき海域におけるカッオ漁場の表面水温は、5月中旬〜6月上旬が17〜22℃台、7月下旬〜9月中旬は20〜25℃台であった。一方、メジ漁場の表面水温は、9月下旬〜12月上旬が17〜22℃台であった。両漁場とも全般的に平年より高めで推移した。
漁場探索調査は5月下旬から開始したが、6月〜12月に行った漁獲試験の結果は表1のとおりであった。調査期間中には無線通信により当業船に情報を提供するとともに、表面水温、潮目、鳥付き等の海象条件及び漁獲調査結果を整理し、曳釣情報として計15回発行した。
* 現水産事務所